地歌(地唄)、京風手事物。謡い物。 石川勾当作曲。「石川三つ物」の一つ。謡曲「遊行柳」より歌詞は取られ、その間に「源氏物語」の「若菜の巻」の柏木と女三の宮との出会いの情景が引かれています。 謡曲「遊行柳」は遊行上人が遠国、白河の関において、朽木の柳の精に会ってそれを弔う内容です。朽木の柳の精は過去を懐かしみ古今東西の柳にまつわる華やかな物語を始めます。この曲中では、春たけなわの中、殿上人たちの優雅な蹴鞠と、それを御簾の内から、見ている女房たちの艶やかで華やかな装いを歌っています。加えてその情景の中に、源氏物語の一コマのエピソード、飼い猫が外に逃げ出し、御簾が上がってしまい御姿が見えたがために、長い恋の患いが始まってしまったという悲恋を挿入しています。そして、これらの昔話も夢の中の出来事を目前で見ているかのようだと柳の老木の精が語り舞う内容です。

新青柳【Shin Aoyagi】・・独奏 瀬端淑子

【歌詞】

されば都は花盛り、大宮人の御遊にも、蹴鞠(しゆうきく)の庭の面、四本の木蔭枝垂れて(合)

暮に数ある沓(くつ)の音、柳桜をこきまぜて、錦を飾る諸人の、華やかなるや小簾(こす)のひま。

洩れくる風の匂ひ来て(手事)

手飼ひの虎の引き綱も、長き思ひの楢の葉の、その柏木も及びなき、恋路はよしなしや。

これ老いたる柳の色の、狩衣も風折も(手事) 風に漂(ただ)よふ足もとの、たよたよとして、

なよやかに(合) 立ち舞ふ振りの面白や。げに夢人を現にぞ見る。(合)

げに夢人を現(うつつ)にぞ見る。

【その他の演奏形式】

    二重奏(三絃・尺八)~https://youtu.be/bYWYMtXEEII

    二重奏(三絃・箏)~https://youtu.be/vHJ16E8x2L0

    三重奏(三絃・箏・尺八)~https://youtu.be/gGQRgc1FUoc